2024.12.13 NEW!!第19回全国学校給食甲子園決勝大会が開催されました。
2024年12月8日(日) 認定NPO法人21世紀構想研究会主催による、第19回全国学校給食甲子園決勝大会が、女子栄養大学駒込キャンパス(東京都豊島区)において、開催されました。
募総数1,051校の中から、4次にわたる厳しい審査を突破した12チーム24名の選手による決勝大会熱戦が繰り広げられ、石川県立明和特別支援学校の学校栄養職員 岡 春菜先生、同 岩岸美加恵調理員のペアが見事に優勝を果たされました。
詳細は下記公式ホームページよりご確認いただけます。
■決勝結果報告 https://kyusyoku-kosien.net/2024final_result/
■決勝レポート https://kyusyoku-kosien.net/2024final_report/
■食育授業コンテスト https://kyusyoku-kosien.net/2024shokuiku/
【概要】
開 催 日 : 2024年12月8日(日)
会 場 : 開会式・調理実施・・・・・女子栄養大学駒込キャンパス
___ _表彰式・・・・・・・・・・・・・・JPタワーホール&カンファレンス
応募テーマ : 「食育を創る我が校の学校給食」
出場選手 : 全国総応募献立1051件の中から4回戦を勝ち抜かれた12場所の代表者
_____全国の学校栄養士(栄養教諭および学校栄養職員)・調理員
主 催 : 認定NPO法人21世紀構想研究会
【審査結果】(以下敬称略)
優勝(藤江賞)
石川県 石川県立明和特別支援学校
学校栄養職員・岡春菜/調理員・岩岸美加恵
準優勝(武蔵エンジニアリング賞)
香川県 高松市立香南学校給食共同調理場
栄養教諭・谷西真理子/調理員・森下貴子
大村智特別賞
富山県 高岡市立野村小学校
栄養教諭・濵屋佳美/調理員・上田裕子
21世紀構想研究会特別賞
兵庫県 相生市立双葉小学校
栄養教諭・水谷あゆみ/調理員・森淑香
女子栄養大学特別賞
沖縄県 那覇市立松川小学校
学校栄養職員・金城実可子/調理員・宮平守
優秀賞(株式会社日本一賞)
岐阜県 高山市学校給食センター
栄養教諭・川原昌士/調理員・坂巻和正
優秀賞
岩手県 遠野市学校給食センター
栄養教諭・平野沙紀/調理員・運萬里花
宮城県 東松島市学校給食センター
栄養教諭・菅原恵美/調理員・阿部ことえ
茨城県 石岡市立八郷学校給食センター
栄養教諭・米田佳美/調理員・小川茜
千葉県 旭市第一学校給食センター
栄養教諭・石井幸恵/調理員・佐藤智子
広島県 広島県立庄原特別支援学校
栄養教諭・杉信龍哉/調理員・加藤弘美
熊本県 錦町学校給食センター
栄養教諭・冨永明希江/調理員・垣下美千代
調理員特別賞(中野麗子賞)
熊本県 錦町学校給食センター 調理員・垣下美千代
【食育授業コンテスト審査結果】
食育授業最優秀賞(キッコーマン賞)
岩手県 遠野市学校給食センター 栄養教諭・平野沙紀
食育授業優秀賞
栃木県 鹿沼市学校給食共同調理場 栄養教諭・田嶋綾音
石川県 石川県立明和特別支援学校 学校栄養職員・岡春菜
長野県 小海町立小海小学校 栄養教諭・中村素子
兵庫県 相生市立双葉小学校 栄養教諭・水谷あゆみ
岡山県 岡山県立岡山盲学校 栄養教諭・花房千帆
香川県 高松市立香南学校給食共同調理場 栄養教諭・谷西真理子
佐賀県 佐賀市立春日北小学校 栄養教諭・緒方美津子
熊本県 錦町学校給食センター 栄養教諭・冨永明希江
食育授業精励賞
岩手県 奥州市立水沢南小学校 栄養教諭・小野寺真由美
宮城県 東松島市学校給食センター 栄養教諭・菅原恵美
福島県 葛尾村学校給食センター 栄養教諭・松本浩枝
茨城県 石岡市立八郷学校給食センター 栄養教諭・米田佳美
茨城県 水戸市立緑岡小学校 栄養教諭・船越知里
千葉県 旭市第一学校給食センター 栄養教諭・石井幸恵
新潟県 柏崎市西山地区学校給食共同調理場 学校栄養職員・近藤綾子
富山県 高岡市立野村小学校 栄養教諭・濵屋佳美
岐阜県 高山市学校給食センター 栄養教諭・川原昌士
静岡県 森町立宮園小学校 栄養教諭・伊藤佳津
奈良県 天川村立天川小中学校 栄養教諭・西本柊二
島根県 江津市立桜江学校給食センター 栄養教諭・酒井美恵子
広島県 広島県立庄原特別支援学校 栄養教諭・杉信龍哉
沖縄県 那覇市立松川小学校 学校栄養職員・金城実可子
【優勝の石川県立明和特別支援学校の献立】
【優勝スピーチ中の岡春菜先生(左)と岩岸美加恵調理員】
【審査講評】(公式ホームページより一部抜粋)
審査副委員長 公益社団法人全国学校栄養士協議会 会長 長島美保子氏
今回の応募献立総数は1,051件でした。1次審査では、文部科学省から示されている学校給食摂取基準を遵守し、「学校給食として実施したもの」「栄養量や分量が適切なもの」「日頃の給食が食に関する指導に教材として生かされているもの」「子どもたちにとって魅力的な内容であるもの」といった観点を踏まえて審査をいたしました。また3次審査では、彩りよくまとまった献立や地域の特産物を入れて食材の使い方に工夫のある献立、食材そのものの活用の仕方、調味、魚や肉のたれやソース、かくし味などにおいて、おいしい給食づくりにさまざまな創意工夫のあるものが選ばれました。
本日頂点に立たれ優勝旗を手にされた石川県立明和特別支援学校は、生徒との連携が深く、生徒の思いを給食にくみ取って、給食を実施されておりました。本日の献立は、生徒が栽培した食材の活用や郷土の調味料の使用が見られ、手作り感のあるものができあがっておりました。そして準優勝の香川県高松市立香南学校給食共同調理場は、地元食材を非常に効果的に給食に取り入れ、まさに給食が重要な食育の教材となっておりました。主食・主菜・副菜・汁物ひとつひとつに配慮したおいしい献立でした。また、手配した食材が決勝会場に届かないというアクシデントにもめげず頑張られたことも、評価に値しました。
過去の例では、全国学校給食甲子園に応募してきた献立のなかで、学校給食摂取基準を遵守し、多様な食品を上手に工夫して使い、減塩、食物繊維・鉄・カルシウムなど摂取が難しい栄養素を食材でうまく充足させていること、既製品に頼らない献立であることを通して、食育の教材として価値ある献立が、厳しい審査を勝ち抜いています。
次回のコンテストには、さらに多くのみなさんから応募があることを願って講評とさせていただきます。
【閉会挨拶】(公式ホームページより一部抜粋)
主催者 認定NPO法人21世紀構想研究会 理事長 馬場錬成氏
今年もまた多くの感動の場面を残して、間もなく第19回学校給食甲子園が閉幕することになりました。滞りなく開催したことは、ひとえに皆さんの協力があって出来たものですが、どのような場面でも予期しないことが起きますが、この大会でも前代未聞のアクシデントがありました。それは香川県高松市香南学校給食共同調理場の谷西真理子栄養教諭、森下貴子調理員のペアがアクシデントに見舞われました。大会で調理するために高松から送った食材のほとんどが、運送業者の事情で予定通り届かないということが発生しましたが、驚いたことに谷西栄養教諭と森下調理員はこのアクシデントにめげずに全面的に調理工程を見直し、食材の豆アジはサワラに、高菜の一種のまんばの代わりにコマツナを使うなど、様々な工夫を凝らして料理を作り、見事に準優勝に輝いたことでした。
一方で、いま世界的に広がっている第3次産業革命では、チャットGPTに代表されるAI(人工知能)のツールと手段を応用することによって、人類はこれまで経験したことがない時代に突入しております。学校給食甲子園とて無縁でいるわけではありません。全国の先生方から応募された応募用紙は、すべて電子データとして管理しており、生成AIを使って分析・整理にも活用することが可能になっています。これからは、こうした先端ツール、手段を活用して、献立・食育授業の変遷やこれからの活動について模索することを始めます。時代と共に進化する学校給食、食育を明確に意識しながら成長する大会にしますので、これからもご支援いただきたくお願いします。
上記、長島美保子審査副委員長による審査講評と、馬場錬成理事長による閉会挨拶の全文は下記公式ホームページよりご確認いただけます。
■審査講評・閉会挨拶全文 https://kyusyoku-kosien.net/2024ceremony2
【熱戦の結果発表・表彰後の記念撮影の様子】
【所感】
今回初めて最終決戦会場にて熱戦の様子を拝見しましたが、どのチームも地元の食材や調理料を積極活用し、伝統郷土食なども取り込まれていました。中には地域ゆかりの食材をあしらった食器を導入したり、地元の高校生がフードロス軽減を目的に開発した食品を献立に取り入れたり、他にもそれぞれ地域特性を活かしたすばらしい内容でありました。
すなわち、その地域で培われた多くのものや歴史が即、食育教材にも結び付いている、そしてこのような共通する観点から、食育につながる大切なことを子供たちと同様に我々も実感することができたのだと思いました。
また、どの献立もこども達の健康を考えた薄味仕立てながら、しっかりとした「だし」の味わいがあり、とてもおいしい献立ばかりでした。これは食材本来の風味を活かす調理法や隠し味など、栄養教諭、学校栄養職員、調理員の方々の知恵と工夫、美味しいものを届けたいという熱い想いによるものだと思います。
最後に、今大会では(詳しくは長島審査副委員長の審査講評、馬場理事長の閉会挨拶でも述べられていますが)、香川県高松市立香南学校給食共同調理場チームの使用食材が届かないというアクシデントが発生しました。谷西栄養教諭、森下調理員のお二人は急きょ調理工程を見直し、食材を切り替えて見事な「新しい工夫献立」を完成されました。日々の学校給食調理現場では、度々予期せぬアクシデントに見舞われる事もあるかと思いますが、このように現場の栄養教諭、学校栄養職員、調理員の方々の高い専門スキルと努力、熱い志などにより乗り切っておられることによって、こども達には毎日おいしい給食が届けられているのだと、深い感銘を受けました。
ありがとうございました。
米田孝徳 記