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学校給食・食育関連情報

2024.11.25 第8回栄養教諭食育研究大会が開催されました。

2024年11月3日(日)、第8回栄養教諭食育研究大会が開催されましたので、以下の通りご報告いたします。

【巻頭言】
この栄養教諭食育研究会は、代表幹事である金田雅代先生(女子栄養大学 名誉教授)が、「栄養教諭が、安全でおいしく魅力ある学校給食の生きた教材としての活用方法や職務内容などに関する調査研究を実施することで、学校給食や学校での食育の効果を客観的に評価することができ、学会等で広く発表できるように、自らの資質を向上させ、 学校における食育を推進すること(第1回栄養教諭研究会第1金田雅代先生 巻頭言)」を目的として発足された研究会です。
「『栄養教諭食育研究会』に参加して思うこと」(「栄養教諭食育研究大会誌」より一部抜粋・加筆)元鹿児島純心女子短期大学 中馬和代教授

【テーマ】 「エビデンスを創出できる栄養教諭を目指して」

【開催場所】とうしんまなびの丘“エール”

【特別講演】
「学校給食と外食・中食における食物アレルギー対応:その2」
昭和大学医学部小児科学講座教授、昭和大学病院小児医療センター センター長 今井 孝成

講演概要
・食物アレルギーの疫学
・外食・中食における食物アレルギー対応
・最近の食物アレルギー診療
・食物アレルギーとメンタルヘルス
・食物アレルギーの移行期支援
「令和4年の学校対象の大規模アレルギー調査で、食物アレルギー(FA)は6.3%の有病率であった。学校給食におけるFA事故事例は後を絶たない。また、外食・中食におけるFA事故も近年増えており、栄養士を含め全方位的な子どもへの啓発が求められる。」

今井先生の講義は、上記項目に沿った分かりやすいppによる非常に有意義な内容でありました。その中でも特に幼児の鶏卵・牛乳・小麦アレルギーは食べることで治る場合も多く、自己判断をせずに専門医師の指示の基に適切な対応をしていくことが非常に重要であり、子供たちの将来の心身の健康を左右することにも繋がるとても大事な対応であると、改めて痛感させられる内容でした。

【論文による研究発表】
・岐阜県「給食の時間における地場産物に係る食に関する指導の実態」
発表者:山下由美子
・滋賀県「小学校におけるICTを活用した減塩指導の効果」
発表者:成田祥代
・島根県「小・中学生の減塩に関する意識と知識の実態」
発表者:片岡由有
・広島県「学校給食におけるごはん残食率の減少に向けた食育の実践」
発表者:明見伸子
・香川県「食に関する指導を効果的に行うための全体計画のあり方」
発表者:赤松美雪
・鹿児島県「噛むことを中心とした保護者の食育に関する意識と実態」
発表者:榊順子
【講評】
神奈川工科大学健康医療科学部 教授 饗場 直美

上記論文による発表内容を通して、先生方それぞれの、そして様々な方法による「食に関する指導」によって、子供たちの減塩に対する意識の変化や残食の減少などの効果が実際に出ていると知り、学校給食はまさに「生きた教材」であることを改めて実感しました。きめ細かなデータを駆使された奥深い研究発表から、多くのことを学ばせていただきました。

【ポスターによる研究発表】
・静岡県「学校給食センター配送計画モデルの構築」
発表者:石塚浩司
・鹿児島県「食に関する指導の全体計画の評価指標設定における課題抽出プロセスの検討~
特別支援学校における食育評価の妥当性~」
発表者:中西智美

上記、詳細かつ理解し易い記載によるポスター発表においては、学校給食のセンター化が進むことにより生じた課題や、多様な個別性を有する特別支援学校における実態把握などについて、しっかり学習することができました。

2016年(平成28年)に発足された本大会は今年第8回目となりました。配布された「栄養教諭食育研究会誌」を読ませていただきながら、研究発表及びポスター発表を聴講し、栄養教諭・学校栄養職員の学校給食や子供たちへの強い想いとその高い理念に基づいた取組内容について学ばせていただきました。

ありがとうございました。

 


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